前もって設問に目を通しておく『先読み』が有効です。
ただ、「TOEICで正解する力だけ」が欲しいならともかく、
リスニングの力を上げたいのなら、普段の練習では先読みを
封印して練習した方が良いと思うんですよ。
というのは、人間が日常生活で耳にするものの中で、先々の
内容が決まっているものってそんなにないわけです。
ニュースや天気予報なんかですでに原稿があってそれを読み上げる
ケースもありますけど、留守番電話のメッセージですら、言うこと、
決まってないことないですか?
「こういうことを伝えよう」という意図は最初からありますよ。
でも、どういう段取りでどんな表現を使って伝えるかなんて、
前もって決めてません。話しながら組み立ててるはず。
それこそ5秒先、10秒先に何を言うか、話し手本人にも
分かってへん場合が殆どですわ。
当然、その中から何を聞き取るべきかなんて前もって分かってません。
つまり、現実の世界では『先読み』という行為自体が不可能なこと。
話の展開を聞きながら、それまでの展開から次の流れを予想し、
次を聞いて予想が正しかったかを確認すると同時にその次を予想
っていうのが、リスニング本来の手順ですわ。
リスニングの力を伸ばしたいんなら、TOEIC で効率よく正解を選ぶ
訓練ばっかりをやるんやなくて、実際のリスニングの場面でやらな
アカンことをそのまま練習すべきでしょ?
TOEIC の素材を使うにしても、設問も選択肢も前もって読まずに
まず音声を聞いて、聞こえてきたことを100%理解する努力をする。
それも、メモなしで内容をまとめて記憶にとどめる練習をする。
なんちゅうても30秒から50秒程度の長さですわ。語数にしても
130語くらいが関の山。
大した情報量やありません。
当然、一字一句正確に覚えるのは不可能やと思いますけど、内容を
記憶するのは訓練すればできるハズ。
それができないのは、訓練が足りないだけの話。あるいは英語に触れた
絶対量が少なすぎるとも言えますね。
経験不足を解消するには経験を増やすしかないでしょ。
先読みなしで問題を解く練習をやる時期も是非作りましょ。
もちろん、スコアが低い間は、実際のテストでは先読みをして
ポイントを絞って望む方が正解する確率が上がりますから、
積極的に先読みしてください。
普段の練習は力をつけるためにやる訳やから、本番とは違うことも
やらなアキマセン。
水泳の練習で50mプールの端から端までバタ足だけで泳ぐ練習
なんて、その一例ですな。
バスケットの選手がコートの端から端まで蟹歩きのようなフットワークで
走るのもそう。
実際の試合でそんなことをする場面はないわけ位やけれど、正確で
効率よいバタ足、俊敏に横移動ができる脚力を付けるために極端な
練習をする訳ですよ。
TOEIC の受験を考えればやる必要のない負荷の高い練習かも知れん
けど、やりましょう。リスニング力をつけるのに良い方法です。
しかも、水泳のバタ足やバスケットのフットワークと違って、
英語のリスニングの場合、TOEIC という練習試合では使わんけど
会話や日常生活というホンマの試合で求められていることを
練習でやるだけですからね。
ぜひ。
それと、リスニング力を高めるのにとても良いトレーニング、
タイムアタックもやってみてください。
パート4のスクリプトを「これ以上速くは無理」という
速度で音読する練習です。1つの素材に最低でも
1週間くらいは掛けます。
毎日毎日取り出してきては速く読む練習をします。
で、最終的には1分間に250語を目指します。
ホンマの目的は自己ベスト更新なので、人によって
目標値は違うんですけど、1分間に250語(
words per minute、略してWPM)すら越えないようで
はタイムアタックの効果はあまり感じないと思います。
なんせ、TOEIC でも速いのは220wpmくらいです。
250行かないんなら、今聞いてるのとほとんど同じの
速度です。
テストで処理しないといけない速さより相当速い速度を
音読でたたき出すことが出来るなら、その速度の音声を
聞いて理解するのはメッチャ楽になります。
リスニングの力が問われている TOEIC の準備に敢えて
口を動かすスピーキング的なトレーニングを取り入れる。
これが大事なポイントです。
解答練習だけでは英語力はあまり伸びませんからな。
タイムアタックのやり方やコツが分からんという方のために
7月13日(日)に、神戸・住吉でセミナーをやります。
良かったらご参加ください。