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2010年01月16日

なぜ発音にこだわるか?

1月10日放送のTBRの掲示板にあったご質問について考えてみます。

15 :English learner:2010/01/10(日) 15:50:53 ID:t8nazzhE0
この前の名古屋のラジオ聞いて思ったのですが、喉英語にそこまでこだわる必要があるのでしょうか?
声の出し方まで変えて英語をしゃべる必要があるのかに疑問が残りました。
私が普段接しているアメリカの方は、日本人の英語でも抑揚をつけることさえをしっかりしてくれれば
十分に伝わるといわれました。そちらの方に重点を置くべきではないでしょうか?
それとも、喉からにこだわるのは英語を伝えるよりも、よりネイティブに近くを目指しているのでしょうか?
我々日本人にとって、英語でコミュニケーションをとることとネイティブの発音に近くなることは、同じようで違うことに思うのですが。
皆さんの考えをお聞かせ下さい。

まだ放送自体を聞けてないので、当日の出演者の皆さんがどんなお話をされていたのか全く知らないんですが、
とりあえず、TBR in Nagoya 2009「はあちゅうを探せ!」に出させていただいた一人として
私の考えを書いてみます。

結論から言うと「どっちでもよい」です。個人の考え次第ですから。


でも、喉をリラックスさせて話す方がいろんな面で楽です。そして効率的です。


特に大きな違いを感じるのはリスニング面。
(これは私が日本にいて、直接ネイティブと話すよりテレビなどで
 一方的に聞く機会の方が多いためにスピーキング面での恩恵を
 実感してないだけ、かもしれませんが。)


どういうことかというと、喉を緊張させたまま、日本語のような声の
使い方で話していると出せない音がある訳です。『英語喉』の用語で
“ゲップエリア”の音というものですね。


その中でも顕著だと思うのが、schwa(曖昧母音)というヤツです。
『英語喉』のカズさんは schwa を認めてませんが、一般的には認識
されやすいと思うのでこう書きますね。具体的には、advice, admit,
approve, adopt, about, adjust などの a で表されている音です。
枚挙にいとまがないほどたくさんあります。

で、この schwa が正しく喉の奥で響かせられていないと、この音を耳が捉えにくいんですよ。


茅ヶ崎方式のクラスでニュースを聞いてもらうと良く分るんですが、
この音が出せていない人は
approve を prove と思って?????になります。
advice を vice と思って????になります。
about が bout になったら意味不明です。
adjust が just になっても訳わかりません。

approve と prove 以外は品詞からして全然違うじゃないかと思うかも
知れませんが、一旦、脳が vice と判断してしまったら、その後に修正
するのに時間がかかる訳ですね。で、上手く修正できるときもあるけど
できないことも少なくない訳ですよ。


もう一つは i の音ですね。こちらもいっぱいあります。
it, sit, will, fill などなど

これを eat, seat, wheel, feel の母音で発音していると、i の音に
耳が反応しないんですね。で、全然聞き取れないなんてことが起こります。

以前に、ブログに書いたことがあったと思いますが、TOEICクラスで、
"I think it will turn out fine."という文を
全然聞き取れない人がいました。

スクリプトを読んでから聞いても
it will なんて言ってないじゃないですか!」って言うんですよ。

でもね。

i の音を何度か練習して聞き直してもらったら彼女、

あ、言うてますね!」って言うてはりました。



自分がネイティブと話すときは、別に少々訛りがあったって、
喉で息の流れを止めまくってたってコミュニケーションは一応
成立しますよ。

なんてったって、相手はネイティブですから、違う音が聞こえてきた
ときの補正機能は我々には遠く及ばない高精度の物を備えてます。

違う音が聞こえても脳が正しい音の言葉の候補を見つけてきて意味が
成立するように補正できる訳です。



でも。。。



ネイティブにとっても彼らと同じ話し方で話した方が理解してもらい
易いとは思いますよ。というか、楽に理解してもらえると思います。

我々が日本語で話すときでもそうでしょう。
日本人同士で話すのと、外国語訛りのきつい人と話すとき、どちらが
リラックスして聞いているでしょう?

日本人と話すとき、<聞えた音と本来あるべき音の置き換え作業>を
する必要は、殆どありません。当たり前です。

だから、脳の負担はそれだけ軽い。


でも、訛りのある日本語を聞くと、常にこの変換作業をしながら聞く
事になる訳ですから、脳の負担はちょっと重いですね。


理解できないことは殆どないですよ。
なんてったって、僕らは日本語ネイティブですから、日本語を理解する
力はとてつもないものを持ってます。(相手の方と比べて、ね。)


それでも、日本人同士で話している時よりは集中してないとイケないし
ちょっと疲れるハズ。



ということで、聞くにしても話すにしても、相手の出す音と自分の
出す音が近ければ近いほど、お互いにコミュニケーションは楽。

ま、語彙とか文の構造とか話す順番とか他の要素も一杯あるけど
音の面だけを変化させるなら、≪近いほど楽≫です。


っちゅうか、

語彙の選択も≪近いほど楽≫だし、
文の構造も≪近いほど楽≫だし、
話の順番だって≪近いほど楽≫

ですよね。



だから、音をネイティブの音に近づけるのは、充分それに見合う恩恵があります。



ただし、程度の問題でもあります。
効果逓減の法則の問題がありますから。


7割・8割に到達するまでに投下する必要のあるエネルギーよりも
残りの2割・3割を達成するために必要なエネルギーの方が遥に
大きい訳です。


だから“ネイティブの発音”を手に入れることは、一般的には不要と
思います。ただ、私が『英語発音セミナー』でも取りあげている、
1.喉で息を止めないこと
2.喉をリラックスさせて喉の根元で響かせること
3.子音が続くときに、音の途中で次の音に移ること
くらいは、誰もが身につけて損はないと思います。

それほどの労力がいるものでもないと思いますし。




あ。因みに、“抑揚をつけること”ですが、意識しすぎると却って
逆効果になることがあります。

“英語は日本語に比べて強弱のアクセントが大事”とか、
“英語の子音は日本語の子音と比べて強い”とか、
“英語はイントネーションが大事”とか、私も散々目にしてきたし
耳にしてきました。

『西宮一発音にこだわるTOEIC講師』ですから、高校生くらいの頃から
発音に関する本を買って読んだり、大学では理学部だったくせに
『英語音声学』の教科書を読んでたりしましたから。


でも、それらは『現象としてそうなっている』だけの話で、
意識しすぎるととても不自然に聞こえます。

日本語でもイントネーションによって意味が変わりますけど、
そんなもん、一々気にしながら喋ってませんよね?


一例。

地方が舞台のドラマで、役者さんの方言が気持ち悪こと、ないですか?

あれ、本来の自分のイントネーションと違うイントネーションで
喋ろうとするからですよね。不必要に高くしてしまったり低くして
しまったりして不自然になる。。。


「ここは高い」とか「ここは低い」とか分析してそれを意識して話す
のではなく、聞えた通りに真似して言ってみるうちにそういう話し方が
自然に身に着くようにする方が自然に話せます。

そうしようとすると“時間がかかる”と思われるかも知れませんが、
「分析+意識」のアプローチをとっても結局は時間はかかりますよね。


ネイティブの音を真似してそれに近づけていく過程で(つまりコピーイングの練習)で、
知らぬ間に“取り立てて意識しなくても”自然な抑揚が着いてくるものですから
そうするのが一番良いと思います。


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ラベル:発音 英語喉
posted by processeigo at 19:20| Comment(2) | TrackBack(1) | 発音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
てんまさん

TBRの掲示板に挙がっていた質問にお答えいただきありがとうございます。
英語の音を出す練習の意義がわかりやすく説明されていて、学習者の役に立つと思います。
私のブログの読者の方々にも読んでいただきたいので、ブログで紹介させていただきました。

今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by 神崎正哉 at 2010年01月19日 21:57
神崎さん、

ブログでご紹介いただき有難うございます。
あの放送の音声をまだ聞けていないのですが、なんとか勇気を振り絞って(?)6時間のファイルを攻略したいと思います。
Posted by てんま at 2010年01月20日 10:46
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